:::English Ninja:::フィリピンに英会話留学する前に

「フィリピンに英会話留学する前に」は、とにかく少ない予算で、フィリピンの英会話学校で勉強をしたいという人向けに、留学前に知っていたら有益だと思うことをまとめたブログです。

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3月下旬、インドのデリーとムンバイに行ってきました。

その時会ったのは、デリーの近郊地域ノイダNoida)にあるeラーニング会社LIQVID eLearning Services Pvt Ltdです。ここは、英国BBCのコンテンツを使った英語学習教材EnglishEdgeを開発・販売しています。

liqvid
LIQVID eLearning Services Pvt Ltd

EnglishEdge

日本でも売れそうか否か、デモを見せてもらいました。インド国内市場向けのコンテンツのため、人物設定など全てインド人なので、そのまま持ってくるのは無理です。でも、バックエンド機能には、生徒毎のコンテンツ閲覧履歴やテスト履歴をチェック出来る仕組みもあり、さすがHewlett PackardやIBMなど外資系企業を顧客に持つだけのことはあります。コンテンツの展開で驚かされたのは、まだ普及の進んでいないブラックベリーなど、スマートフォンへの対応を既に進めている点です。今後、大きな市場になると見越しているそうです。学校でもWiFi基地が普及するはずなので、現実性の高い選択です。

インドのeラーニング会社は、欧米企業から英語の教育コンテンツ開発を受注し、経験を重ね、自社製品開発に乗り出すという成長パターンがあります。コンテンツ自体は面白くないのですが、バックエンド機能は充実しており、また大学・専門学校向けERPなど、日本にはないソフトウエア商品を提供する会社も存在します。また、英国や米国のK-12向けに、数学や理科といった科目をオンラインで指導する会社も増えており、アジアでは最もイノベーションに富んだ市場だと思います。
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The Economics Timesの記事によると、出版社Penguinやビジネス新聞Financial Timesを抱える英国教育大手Pearson Group傘下のPearson Educationのインドでの事業活動を取り上げていました。以前からPearson Educationのインドでの事業展開は気になっていたのですが、この記事では、オンライン英語習熟度テスト「Pearson Test of English」が紹介されていました。

The Economics Times
Pearson Education open to expansion opportunities

Pearson Education
Pearson Education

Pearson Educationがインドでも提供しているオンライン英語習熟度テスト「Pearson Test of English」は、2009年から市場に投入、現在は、世界2,000以上の高等教育機関で利用されています。インドビジネススクールIndian School of Business (ISB).でも利用しています。

Pearson Education Internationalの社長のMark Anderson氏が、「Pearson Test of English」が狙う市場を、以下のようにコメントしています。

"Our main focus is on markets in India, China, Brazil, South Africa and parts of Middle East... We are focussed on offering products and services that would help in improving English (proficiency)."
"There has been a positive response for this test in India. We will work towards further improving the test and take it to the next level...."


英会話能力の向上は、その求める英会話能力の違いこそあれ、日本だけの課題ではないのです。ただ、「Pearson Test of English」がまだ日本には投入されていないことを考えれば、日本では、まだまだニーズが小さいと看做しているのかもしれません。
日経ビジネスonlineの特集記事「英語の公用語化って何?」で取り上げられたのが、「英語で書かれた原稿が、インドで編集されて本になる」として、インドでの英語の公用語化です。

日経ビジネスonline
英語で書かれた原稿が、インドで編集されて本になる

その中で紹介されていたのが、コーチングスクールという、コールセンターに就職したい学生たちも、純正のイギリスそしてアメリカのアクセントで会話ができるよう、発音矯正のための塾です。

インドではコールセンターの仕事は給料もいいので、若い人の間では人気の職業であるそうだ。しかしインド英語で国際企業のコールセンターの仕事が勤まるのか疑問であった。ところがその疑問も、「コーチングスクール」の存在を聞いて解消した。

インドには、コーチングスクールという日本の塾のようなものが全国至るところにあり、学校の授業の後に学生たちが通っている。大学の試験は非常に難しいので、優秀な学生でもこのような塾に通うのが普通である。コールセンターに就職したい学生たちも、純正のイギリスそしてアメリカのアクセントで会話ができるよう、発音矯正のためにこういった塾に通うそうだ。


フィリピンでも、コールセンターに就職したい人向けに英会話学校が多いのも、同じ理由です。
産経新聞の記事に、在大阪インド総領事ヴィカス・スワラップ氏のインタビューが有りました。記事のタイトルは「インドと日本の違いは英語力 世界を相手になぜ、話さないのか」という、ちょっと刺激的なものです。

Yahoo! Japan ニュース
インドと日本の違いは英語力 世界を相手になぜ、話さないのか

インタビューの中で、特に惹かれたコメントは、以下のものです。英会話の勉強の姿勢として、的を得たものだと思います。

--インドでは反対というと?

 スワラップ 私たちは間違えろと教えられます。間違えば誰かが指摘してくれる。そうやって正しい言い方を覚えていくのです。インド人は英語を英国に押しつけられた言語だとは思っていません。自分たちの言葉だと思っています。だからねじったり曲げたり、好きなように英語を変化させる。自分の言語として受け入れると違和感はない。それがインド英語と呼ばれるものなのです。

Business Standardの記事によると、世界最大の英会話学校は、インド140都市250校で、年間150,000人に英会話を教える英会話学校Vetaだそうです。1981年創業のインドのAmoha Education (P) Ltd.が運営するVetaは、今後5年で生徒数1百万人を目指すそうです。

Business Standard
Veta to set up 15 spoken English training centres in Gujarat

Amoha Education (P) Ltd.
Amoha Education (P) Ltd.

Vetaのエクゼクティブ・ディレクターのKV Rajan氏によると、2010年は新たに直営校、フランチャイズ校合わせて100校を開校する計画です。

“As for the expansion plans across the country, each of the 100 centres will be established with an investment of Rs 20 to 30 lakhs depending on the location, city and rental advance. The 100 centres will include 20 owned and 80 franchisee centres," said major, executive director.”


Vetaは、更にSingapore、Sri Lanka、Malaysiaの学校を強化し、その他の国にはマスター・フランチャイザーを設けて事業展開していく計画もあります。

"With a total investment of Rs 22 crore for the expansion, Amoha Education (P) Ltd. will invest Rs six crore and the remaining Rs 16 crore will be invested by the franchisees. Veta not only is making planned inroads in India, but is also developing the existing centers in Singapore, Sri Lanka and Malaysia. Veta also plans to extensively foray into the other South East Asian countries. The expansion at these centres will be through master franchisee route. The master franchisees are trained in Singapore and the support staff is trained in their respective countries."


この規模感、想像の域を超えています。中国の英会話学校も大規模化していますが、インドも凄いです。そして、この事業計画を正当化出来る英語熱が、日本を除くアジア諸国にはあります。
12月6日付のブログ「英語の使えるインド人の人口はどれくらい?」で取り上げた、British Councilの委託業務としてレポートEnglish Next Indiaを書いた英国の言語学者David Graddol氏のインタビューの記事があったので、紹介しておきます。

In Russia, English has become the working language. It's the corporate language for Germany. Brazil is going to teach English to its students from class I starting next year. The way wealth is created is different after globalisation. Even in mid-1990s, Belgians were teaching English to Chinese so that they could communicate with German and Italian engineers installing machines in their steel factories. In India, not many know the changes that have happened outside. India used to think 'we speak English, so we have an advantage'. You don't get special advantage if everyone speaks English. Twenty years ago you had this special advantage. China is teaching English to a much wider demographic whereas in India, it continues to be to a fairly elite group.


The Times of India
'Majority of Indian students don't have good enough English'

インタビューの中で、インド人の間には、自分達が英語は上手い、それがインドの経済成長の原動力になったとの認識があるが、世界の国々で、誰もが必死に英語を学んでいる状況下では、それが何時までも通用しないとの指摘があります。これについては、全く同感ですね。

なお、レポートEnglish Next Indiaは、2010年2月ぐらいに、British Councilのサイトで公開されるそうです。
英国の国際文化交流機関British Councilブリティッシュカウンシル)が支援、David Graddol氏が発表した調査レポートEnglish Next Indiaが、インドのオンライン新聞で何度も取り上げられています。その理由の1つは、中国で英語を喋れる人数が、インドのそれを上回っていると指摘しているからです。

British Council
British Council

BBC Newsの記事も、English Next Indiaを取り上げており、英語教育の問題として、インドでは教える側の体制が整っていないと、調査レポートから引用していました。

"The rate of improvement in the English language skills of the Indian population is at present too slow to prevent India from falling behind other countries which have implemented the teaching of English in primary schools sooner, and more successfully.“  “China may already have more people who speak English than India."


BBC News
India English growth 'too slow'

インドで英語を使える人は、広い意味で3.33億人存在するという調査もあるそうです。しかし、インドの政府機関National Knowledge Commissionは、第2外国語として英語を使える人数は、人口の1%に過ぎないと想定しています。

National Knowledge Commission
National Knowledge Commission

どの数字が正しいのか不明ですが、私の持っていた「インド人は英語が上手い」という認識は、どうやら改めた方が良いようです。
今日は、フィリピン人の英語から離れて、インド人の英語の話について、今年1月のインドのインターネット英字ビジネス雑誌sify.comから取り上げたいと思います。

sify.com
India’s call-centre employees need to speak better English

アメリカ合衆国にある世界最大規模の私営の教育テスト実施機関ETS(Educational Testing Serviceの略)が主催するTOEFLについては、詳しい説明をする必要はないかと思います。TOEFL のスコアは、110カ国以上、6,000校以上の大学の入学で採用されており、180カ国以上の国々で、年間50百万人が受験しているテストです。

ETS  
Educational Testing Service

そのETS が、地元の教育機関と共同で、もっとインド人に対してTOEFLの受験を広めていくそうです。ネイティブではないが英語力に優れるインド人が、TOEFLを通じて、もっと英語を勉強する必要があるのでしょうか?それは、ETS副社長のDavid L. Hunt氏のコメントから理解することが出来ます。

“It’s an interesting situation here. People may read and write good English but spoken English needs improvement,” said David L. Hunt, vice president of ETS, which is headquartered in Princeton. “India is a global economy and people dealing with international clients need to speak better English. I think the BPO industry can do better in the country,” Hunt told IANS in an interview.


BPO industryのBPOとは、Business Process Outsourcingの略語です。意味は、会社内業務を、外部業者に委託することです。現在、多くのアメリカ合衆国企業のコールセンター業務が、インドの業者に委託されています。

その仕組みですが、例えば、アメリカ合衆国に住む人がパソコンを買い、その使い方が分からないので、夜中、パソコンメーカーのコールセンターに電話します。すると、電話は、その時間に昼間のインドのコールセンターに転送され、インド人の担当者が電話の対応をするという具合です。これにより、アメリカ合衆国の企業は、人件費を削減することが可能です。

やはりインド人がインドで使う英語は、強い訛りがあります。その訛りを修正できれば、このようなコールセンター業務の仕事だけでなく、米国資本の投資銀行やソフトウエア開発会社ような高給の仕事にも就けるという訳です。

私がアメリカの大学院に行っていた時、ルームシェアをしていたインド人は、アメリカの大学を卒業していたので、「アメリカ生まれ?」と思うほどの発音でした。一方、インドから直接、大学院に入学したインド人は強い訛りがあり、最初はかなり、意思疎通に苦労しました。でも、彼らの発音の上達ぶりは目覚しく、数ヶ月もすると、私は置いて行かれました。

その頃から、インド人の学習能力に対しては、強い尊敬の念を抱いています。
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